二世の縁 拾遺
円地文子の『二世の縁 拾遺』を読む。
これは
上田秋成の『春雨物語』の中の
『二世の縁』をモチーフに
というか
地の文に大幅にとりいれながら
物語が構成されている。
え、ここまでやっちゃっていいのですか??
と思ったのだが、
話として成立しているので
まあいいのだろう。
(上田秋成自身が
中国の話をネタに随分書いているのだし…
本歌取りのように
アレンジは日本の文化だ‼!)
そもそも二世の縁とは、
親子は一世
夫婦は二世
主従は三世の縁がある
というところから
夫婦の縁のことをいうらしい。
主人公は
戦争で夫を失った未亡人。
体の不自由な先生の元に通い、
『春雨物語』の口語訳を書きとめている。
その主人公が
先生の家からの帰り道、
夫の妄想をする…
というような話である。
こういう話は何故だか
「女の情念」だとかいう言葉で
くくられてしまうけれども
私が読んでも、
「こういうこともありますよね」
という程度にしか思わない。
女性だってこういうこと考えることは
ありますよね??
きっと…
(大声で言ってはいけないだろうか??)
それにしても
こういう作品を読むと、
作家って
自分の恥を切り売りしている商売なのだな、
と思う。
率直にありのままを書くって
恥ずかしいことですな。
「ひとり文芸部」カテゴリの記事
- 『短歌の作り方、教えてください』(2011.08.22)
- 第1回文学演習発表(2011.05.12)
- よろづ春夏冬中(2011.04.24)
- モネ(2011.04.03)
- モダンタイムス(2011.03.26)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント